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海外旅行業界における逆境をチャンスに変える戦略とカルチャーとは? ー令和トラベルの事業成長と組織開発の裏側ー
海外旅行業界における逆境をチャンスに変える戦略とカルチャーとは? ー令和トラベルの事業成長と組織開発の裏側ー

What's 株式会社令和トラベル】

令和トラベルは「あたらしい旅行を、デザインする。」をミッションに、海外旅行におけるあたらしい体験や、あたらしい社会価値の提供を目指すデジタルトラベルエージェンシー。2022年4月より、海外旅行予約アプリ『NEWT』を提供開始。旅行業界における予約や管理業務のDXを最大化し、これまでになかった"かんたん・おトク・えらべる・あんしん"なパッケージツアー等を提供し、海外旅行というエクスペリエンスを通じた社会価値の創造に挑戦している。

 創業:2021年4月 / 3年目、従業員数:約50名、累計調達額:22.5億円 / シード調達時

※記載の内容は2023年11月時点のもの 

 

スタートアップの壁 - 令和トラベル編。

スタートアップが直面する4つの「壁」について、令和トラベルにお話を伺いました。

今回の後編記事では、これまでに動画でお届けした内容の総集編としてご覧ください。

<前編を動画でご覧になりたい方はこちら、記事でご覧になりたい方はこちら> 

新規参入の壁

【動画Vol.2】スタートアップの壁_令和トラベル_後編_新規参入の壁_サムネイル.jpg

まず1つ目は「新規参入の壁」。こちらはCSO(最高営業責任者)の受田さんに話を伺いました。

<出演者> 受田 宏基

2017年株式会社Loco Partnersにインターン生としてジョイン。宿泊予約サイトReluxのマーケティングやセールス、新規事業開発など横断的に活躍。その後2018年同社に新卒入社、民泊事業の立ち上げ、新卒7名の部門長、首都圏外資系ホテルチェーンの担当などに従事。2020年4月には「TASTE LOCAL」を共同創業、グロースを担当。2021年2月、令和トラベルに執行役員CSOとしてジョイン。

100年に一度のチャンスをつかむ「10x」思考の戦い方

受田さんは、篠塚社長が令和トラベル以前に創業した株式会社Loco Partnersに学生インターンとしてジョイン。そして正社員となり、その後は篠塚社長の後を追う形で令和トラベルに入社をされた経歴をお持ちです。現在は同社のCSOとして、商品企画や事業開発などのビジネスサイド全般を統括する立場で、事業成長にコミットをされています。

海外旅行の市場は大手旅行代理店がシェアを占めており、新規での参入障壁が非常に高い領域。しかし、受田さんは「業界を変えるにはこのタイミングしかないと思った」と語ります。その背景にあったのは新型コロナウイルスの流行。海外旅行業界には向かい風と言える状況だからこそ、競合他社が商品展開を控えているエリアに注力し、スピーディーに送客の実績を積み上げていくことで航空会社等との直接契約を実現。

コロナ禍という、業界におけるピンチな状況を逆手に取ってチャンスを見出すことができた、令和トラベルならではの戦略やカルチャーに迫ります。

< 「新規参入の壁」の動画はこちら

PMFの壁

【Vol.4】スタートアップの壁_令和トラベル_後編_PMFの壁_サムネイル.jpg

2つ目は「PMFの壁」。こちらはPdMの麻柄さん、そしてGrowth Unitの豊田さんにお話を伺いました。

<出演者> 麻柄 翔太郎

2010年株式会社リクルート新卒入社。入社以来、エンジニアとして新規事業の立ち上げ開発から業務システムのリプレイス開発まで幅広く担当し、少人数でのアジャイル開発、数百人月の大規模プロジェクトのマネジメント、オフショア開発のディレクションなどを経験。その後、EMとしてシフト管理SaaSプロダクトの新規立ち上げからグロースまで開発責任者として開発組織を牽引。2021年10月より株式会社令和トラベルにジョインし、EM兼PdMとしてエンジニア組織づくりやデジタル基盤の開発を担当する。2023年4月よりProduct Dev.本部担当の執行役員に就任。

<出演者> 豊田 麻未

2018年、株式会社 博報堂に新卒入社。大手航空会社のアカウントエグゼクティブ職として、主にマスコミュニケーション業務に従事。2020年にベンチャーキャピタル&スタートアップスタジオへ転職。スタートアップ投資や新規事業企画にたずさわる中で、よりプレイヤーとしての経験を積みたく、2022年10月より令和トラベルへ入社。

マクロな視点で分析、ミクロな目線で開発

現在、EM兼PdMとしてエンジニアサイド全般に携わっている麻柄さんが令和トラベルへの入社を決めた理由は、同社が掲げるミッション「あたらしい旅行を、デザインする。」とビジョン「令和時代を代表する、デジタルトラベルエージェンシーを創る。」に共感したからとのこと。

海外旅行はハードルが高く、お金も時間もかかる。さらに、予約方法もわかりにくければ、予約したあとに何をすればいいのかもわからない。こういった、海外旅行におけるあらゆるハードルを低くしていき、少なくとも国内旅行と同じくらい気軽に海外旅行を楽しめるようにしていきたいと語ります。

そんな麻柄さんは、コロナ禍だった令和トラベル創業時の「海外旅行どころか国内旅行もまだできないよね」という頃から、MVP(Minimum Viable Product)で着実にサービスの開発は進められていたとのこと。

篠塚社長とは密にコミュニケーションを取っており、開発目線では判断に迷いが生じることも、篠塚社長から「カスタマーにとってどうなのか」という明確な基準でフィードバックを受けながら、プロダクトを改善していく議論を何度も交わしているそうです。

動画内では、開発サイドとして今後解決に向けて取り組むべき課題や展望なども語っていただいています。

「0→1」のフェーズは乗り越えられた

豊田さんは新卒で広告代理店に入社。マーケティングの経験を積んでいきたいと考えるようになったものの、既存のクライアントは大手企業ばかりで、すでに社会的に認知度が高く、介在価値を感じにくい環境となっていました。しかし、心のどこかで「便利だけど、世の中にはまだまだ知られていないようなサービスを広めていきたい」という想いを持ち続けており、そこで出会ったのが令和トラベルでした。コンシューマー向けのサービスを提供する事業会社であり、資金調達を行っていたので一定のマーケティング予算をかけて、自分で売り上げを作っていけることに魅力を感じたそうです。

2022年10月に入社後、現在はGrowth Unitに所属しマーケティングサイドから事業成長に携わっている豊田さんは、「0→1(ゼロイチ)」のフェーズは乗り越えられた感覚があると語ります。

入社当時は1日に1件の予約が入っただけでもSlack上はお祭り騒ぎになっていたそうですが、その約半年後、 2023年5月に新型コロナウイルス感染症が5類に移行されてからは予約数が急増。そのタイミングを見計らって大型セールを展開すると、大きな反響を得ることができ、結果的にこれが「0→1」のPMFの壁を超えたと言えるフェーズになっていたのだとか。

今後は「1→100(イチヒャク)」に向けて、マーケティングサイドとして様々な取り組みをしていかなければならないと感じながらも、そこに立ちはだかるのは新たな壁。勝ちパターンが見えていない中、次のゴールに向けて何を考え、走っていくのか。ぜひ動画をご覧ください。

< 「PMFの壁」の動画はこちら

組織の壁

【動画Vol.4】スタートアップの壁_令和トラベル_後編_組織の壁_サムネイル.jpg

3つ目は「組織の壁」について。こちらはCHROの田村さんに話を伺いました。

<出演者:>田村 博司

2007年株式会社リクルート入社。Indeed国内エンジニア採用立ち上げなどを推進後、採用責任者や経営企画責任者などを歴任。2020年に人事コンサルティング会社を設立。2021年4月より株式会社令和トラベルに執行役員CHRO(最高人事責任者)としてジョイン。2023年7月より取締役に就任。

集団凝集性と多様性を重視する組織づくり

田村さんと篠塚社長との出会いのきっかけは、リクルートに同期入社をしたこと。田村さんは、当時の業務を通じて「世の中には、意外と多くの企業が人事・採用領域で課題を抱えているのだな」と気づき、一時は人事のコンサルタントとして独立をしました。

その後、再会した篠塚社長から声がかかります。田村さん自身は旅行業をやりたいと思っていたわけではなかったそうですが、篠塚社長が思い描くビジョンに共感して令和トラベルにCHROとしてジョインすることに。

創業初期はコロナ禍真っ只中で、プロダクトをリリースできない日々が続いたものの、そのような状況だからこそ注力してきたことが、人材採用とカルチャー醸成でした。まずは人を増やさなければならない。一方で、組織として全社共通のカルチャーも育てていかなければならない。そこで、田村さんは研修などの機会を設け、時間をかけながら対話を通して価値観を共有していったとのこと。新しく入社したメンバーにもカルチャーを伝承していけるような組織構築にも取り組み、創業から1年後にはプロダクトのリリースを迎えました。

その後も組織の規模が拡大していくにつれて、CHROとして100名規模を見据えながら50名の壁と向き合うこととなりますが、ここで肝となるのが「集団凝集性と多様性の掛け算」とのこと。共通の目標に向けて取り組むためには似たような価値観の人間が集まったほうが効率的ではある一方で、様々な価値観を持った人を受け入れながら、同じ方向に向かってワクワクすることを大事にしたい。「事業成長の源泉は人」と語る田村さんは、この掛け算をどのように捉え、組織の壁を乗り越えようと考えているのか。ぜひ動画をご覧ください。

< 「組織の壁」の動画はこちら

未来の壁

【動画Vol.5】スタートアップの壁_令和トラベル_後編_未来の壁_サムネイル.jpg

4つ目は「未来の壁」。前編でもお話を伺った篠塚社長に、令和トラベルの今後について語っていただきました。

<出演者>篠塚 孝哉

2011年株式会社Loco Partnersを創業、2013年に宿泊予約サービス「Relux」を開始。17年春にはKDDIグループにM&Aにて経営参画。2020年3月にLoco Partnersの社長を退任し、2021年4月、株式会社令和トラベルを創業。同年6月には、シードラウンドで22.5億円の大型資金調達を実施。「あたらしい旅行を、デザインする。」をミッションに海外旅行代理業を展開する。2022年4月、海外旅行予約アプリ『NEWT(ニュート)』をリリース。

デジタルとテクノロジーの強みで未来を切り開く

創業してから現在までを振り返ると、うまくいったこともあれば、全然うまくいかなかったこともあるとのこと。

BtoCのビジネスにおいては、ビジネスサイドとコンシューマーサイドで様々な課題が生まれるもの。「Relux」を運営していた時のクライアントは宿泊施設のみ、さらに国内が対象だったので言語の壁もカルチャーの壁もありませんでしたが、「NEWT」は全世界が対象なので、そうはいきません。篠塚社長自身も、まずはこの壁を理解することに時間がかかったそうです。

また、国内旅行の場合は一人のお客様が毎月のように「Relux」を利用するケースがあるものの、海外旅行となると、一般的には多くても年に2回ほど。その点において、集客のシステムが異なったり、顧客心理を理解するための勘所が掴めなかったりした時期があったと語ります。

そういった壁を少しずつ乗り越え、現在は海外旅行業界におけるデジタルの領域では、ようやく他社と比較して同等のレベル、すなわち平均値まで追いついた感覚があるそう。今後は、その偏差値をどのように60、70に押し上げていくかが勝負の肝になるとのことです。

「2024年には大きく仕掛ける準備を進めている」という篠塚社長の今後の挑戦が気になる方は、ぜひ動画をご覧ください。そして、海外旅行予約アプリ『NEWT』も是非ご利用ください。

< 「未来の壁」の動画はこちら