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新卒・中途メンバーから見た「ジャフコの人材育成」、他社にはない研修・教育のあり方
新卒・中途メンバーから見た「ジャフコの人材育成」、他社にはない研修・教育のあり方

スタートアップ・エコシステムの発展とともに、少しずつ知名度の上がってきたベンチャーキャピタリストという職種。ベンチャーキャピタル(VC)の数はここ数年で増えてきていますが、新卒採用を行っているところは僅かしかありません。

その中で黎明期からいち早く新卒採用を行い、40年間一貫して新卒採用を継続しています。毎年、新卒でVCの門を叩く人や最近では異なる業界から中途でジャフコグループ(以下、ジャフコ)に入社する人も増えています。

なぜ、ジャフコに入社することにしたのか。実際に働いてみて感じるベンチャーキャピタリストという仕事の魅力、ジャフコという組織の魅力は何か。新卒で入社した沼田さん(2005年新卒入社、チーフキャピタリスト)、山崎さん(2022年新卒入社)、そして中途で入社した宮林さん(2022年中途入社)の3人に話を聞きました。

【プロフィール】

沼田 朋子(チーフキャピタリスト)

2005年に入社し、現在に至るまで投資部に所属。キャリアを通じて、幅広い業種やステージの企業への投資・EXIT経験を有する。
2010年以降は、医療・ヘルスケア、エネルギーなどの領域で、Deepな社会課題を解決するスタートアップへの投資に注力。
2022年4月にチーフキャピタリスト就任。一橋大学経済学部卒業。

宮林 隆吉

2022年入社。投資部にてスタートアップ投資、起業支援プログラム(EIR)の企画・運営を行う。
入社以前は電通R&D部門のシニア・ディレクターとして、イスラエルを中心にテクノロジー企業への投資・事業開発に従事。投資先EXIT実績はKudan (IPO), G-NEXT (IPO), Newscred(米国,M&A)。電通退社後、IoT/データ・テクノロジーに特化したVC創業を経て、ジャフコに参画。社外では日本マーケティング学会理事を務め、実務とアカデミアの橋渡しを行う。著書「経営戦略としての異文化理解」「マーケティング実践テキスト」。一橋大学博士(経営学)、IESE経営大学院(MBA)。

山崎 由貴

2022年入社。投資部にて、シード・アーリーステージのスタートアップ企業を中心に、投資先の発掘から投資実行、ならびに投資後支援に従事。興味領域は教育、ヘルスケア、サステナビリティ、エンタメ等。

新卒と中途、それぞれのメンバーが入社を決めたワケ

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──ジャフコに入社した経緯を教えてください。

山崎:私は大学生時代、外国人留学生が生活する寮のレジデントアシスタントをしていました。その寮には私の他にもレジデントアシスタントが5人入居しており、そのうちの3人が学生起業をしていたんです。その人たちからスタートアップやVCに関する話を聞き、一気にスタートアップに興味を持つようになりました。

いざ就職活動の時期になり、ベンチャーキャピタリストの新卒採用を行なっている会社を調べたところジャフコにたどり着き、応募し、2022年4月に入社しました。

沼田:私は"就職氷河期"と言われる2004年に就職活動をしており、当時の私の就職活動の軸は「人や企業の挑戦を支援すること」でした。金融業界やコンサルティング業界などは一通り受けていたものの、VC業界については知りませんでした。ただ、就職情報サイトから「ジャフコが新卒採用説明会をやります」というメールが来たので、気になって参加してみることにしたんです。

ジャフコのベンチャー投資の場合、投資先企業の事業成長を支援し、上場して初めて収益になります。足の長い事業ではありますが、投資から上場まで起業家に伴走し、貢献がダイレクトに収益として返ってくることに魅力を感じて入社を決めました。

──宮林さんは中途でジャフコに入社されています。

宮林:私は新卒で電通という広告代理店に入り、事業会社の立場で国内外スタートアップへの投資・事業開発を経験しました。その後、2020年に電通を退職し、投資やアクセラレーションを軸に起業をしていたのですが、知人を介してジャフコの社長に就任したばかりの三好と会う機会があり、話をする中で新しいジャフコの挑戦にすごく興味を持ったんです。ご縁とタイミングが上手く重なり、2022年に中途でジャフコに入社しています。

──山崎さんにお伺いします。2022年の新卒入社ですと、他にも新卒採用を実施するVCはあったかと思います。そうした中、ジャフコに最も魅力を感じたポイントは何だったのでしょうか?

山崎:私が就職活動をしていた2022年は少しずつVCの知名度も上がってきた段階かなと思っています。もともと新卒採用を行っているVCは数少なかったのですが、2020年頃からは選択肢が増えていたように思います。

ファンドのサイズや投資の金額感、どのフェーズの企業に投資するかなどの違いがあるなかで、50年の歴史と、継続的に資金を供給できる環境はジャフコにあると思いました。

──入社してから1年が経ったかと思いますが、ベンチャーキャピタリストという仕事のイメージに何か変化はありましたか?

山崎:業務内容に関しては入社前のイメージと乖離はないのですが、実際に働いてみると、スタートアップの成長を支えていくという側面で、改めてベンチャーキャピタリストという仕事の責任の重さを日々、感じているところです。

宮林:ピュアな金融業としてリターンを追い求めるVCと、事業シナジーなどを狙うCVCではスタートアップへの関わり方が大きく異なるんだなと感じました。そういう意味では、入社してからVCのイメージはけっこう変わりましたね。

また、ジャフコはリードVCとしてスタートアップへの投資に関わることが多い組織ということもあり、実際に働く過程で大変さを感じています。一般的なシード投資やフォロー投資と比べて、リードVCとして起業家に関わることの責任感やプレッシャーは段違いであることがわかり、ジャフコで働く同僚のキャピタリストへのリスペクトがより一層、強まりましたね。

──沼田さんは2005年の入社後、VCの環境自体にも変化があったのではないでしょうか?

沼田:私が入社したタイミングのジャフコは、ステージを問わずに急成長しそうな会社にすべて投資する「フルライン投資」を行なっていました。その後、ライブドアショックやリーマンショックが起こり、市況が悪化してからはIPOの件数も激減し、従来のようなやり方が通用しなくなりました。そこからはステージを絞り、厳選した企業に投資をするようになっていったんです。それが今の"ジャフコらしさ"にも繋がっているなと感じますし、​​よりVCらしい仕事になってきていると感じます。

手厚い研修と教育、組織力の強さが他社にはない特徴

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──ジャフコの研修や教育で特徴的だと思うポイントは何でしょうか?

沼田:ジャフコの教育で特徴的だと感じるのは、入社から1年間は直属の先輩がインストラクターとして付きっ切りで何でも教えてくれる点です。アポイント先にも付いてきてくれますし、投資検討の方法も教えてくれる。さらには社会人としての考え方や経営者への対処の仕方も丁寧に教えてくれるので、本当にありがたかったです。そういった環境があったからこそ、何もない状態からでもキャピタリストとして成長できたと思います。

また、今はその制度がさらに手厚くなっており、2〜3年はサポートの仕方を変えながらもずっとインストラクターが付いていますので、何の心配もせずにジャフコの門を叩いてほしいです。

山崎:入社時の研修に関しても、しっかりとしたプログラムが組まれていて、入社から1カ月間は社会人の基礎を身につけるようなビジネスマナー研修からはじまり、エクセル研修やケーススタディによる勉強会などをみっちり行います。

入社後に活躍するための知識やスキルは問題なく身につけられると思います。

──中途で入ってみて感じる、ジャフコという組織の強さはどこにあると感じていますか?

宮林:現在、海外の機関投資家/VCに向けて日本のVC市場についての説明やジャフコの紹介をする役割を担っているのですが、その際に「信用力の高さ」を感じますね。

上場会社としてVCという仕事に長期コミットしており、今後10年、20年もジャフコは変わらずにあり続ける。この意志の強さから醸し出される信用力というのは、圧倒的なものがあるなと感じます。

また会社設立から50年という歴史があり、良いことも悪いことも経験してきている。その過程で培われてきた、金融アセットとして安定したパフォーマンスを生み出すノウハウや経験値も大きな強みだと思います。加え、投資先を支援する仕組みは、なかなか他の規模のVCでは構築できないレベルのものです。

最後は精神論に聞こえてしまうかもしれませんが、歴史がありながらも自ら変革し続ける力があることは非常に大きい。外から多様性を取り入れて組織を変革していこう、という意識を経営陣が常に意識しているところは、組織の大きな強みになっています。

黒子でありながら、心は熱い。ジャフコで働く人たちの印象

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──ジャフコ社内の雰囲気についてもお伺いしたいのですが、社内にはどういった人が多くいらっしゃいますか?

宮林:前職との比較でいくと、似ている部分と異なる部分があります。似ている部分で言えば、黒子マインドです。言い換えるならば、クライアントファーストという考え方です。何よりも投資先や起業家を優先し、自分たちはその後ろにいればいいというマインドセットは前職と全く一緒でした。実は組織文化という意味では、私は入社後にあまり違和感を覚えることなく、スッと馴染めたところがあります。

一方で、金融業としてのコンプライアンス意識の高さ、そして組織のフラットさに関しては前職と大きく異なる部分です。これにはかなり驚きました。

山崎:3つくらいのキーワードで先輩社員のことを表すと、「職人」「情熱的」「変人」です。最初は自分から話しかけづらいなと思っていたのですが、「教えてください」という感じで話しかけにいくと、想像の3倍ぐらい熱を持って教えてくださる印象です。

沼田:すごく芯のある方々が集まっているのですが、あまりそれを表に出さない。黒子のマインドが強く、それでいて自分自身にストイックな人が多いというイメージです。

宮林:VCとしては組織規模が大きいですが、社内はすごくフラット。それだけプロフェッショナル集団としての色が強いということだとは思うのですが、これはジャフコの強さでもあり、良さでもあると思っています。

──最後に3人がジャフコ社内で今後目指すことについて教えてください。

山崎:ジャフコのアセットを最大限に活かして、2社目、3社目と投資を加速して行きたいです。

沼田:個人的にはもっとゼロイチに近い部分で、なおかつディープテック領域の案件をやれるようになりたいです。ジャフコにはリソースが豊富にあるので、それらをフル活用し、投資した会社が大成功することにコミットしていきたいです。

そうすることで、ジャフコへの注目も集まり、より資金や人材が集まりやすくなる。そんな好循環を生み出していけると良いなと思います。

宮林:私はシンプルに自分の妻や娘、息子に「パパの仕事ってカッコいいね」と思ってもらえるような仕事をしたいです。起業家と新産業を支えるVC業を通じ、家族に誇れるような仕事を今後もしていけたらと思っています。

撮影:小田 駿一
デザイン:いつみ あすか
企画:徳井 麻衣(JAFCO)/ 小宮 明子(PRAS)