
TCFD提言を踏まえた取り組み
当社では、環境を重要な社会課題と認識し、自社の環境負荷低減を推進します。
当社は2023年5月に、気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)による提言(以下、 TCFD提言)へ賛同しました。
TCFDの情報開示フレームワークに沿い、地球の平均気温が産業革命以前に比べて4℃、1.5℃上昇することを想定した2つのシナリオを用いて気候変動に係るリスクと機会の特定を行っています。
ガバナンス
当社は、ESG課題を含むサステナビリティに関する課題への対応を経営上の最重要課題の一つとして認識しています。サステナビリティに関しては全社的に取り組み、管理部がその推進状況を管理し、年に1回以上、取締役会において取り組みを報告します。取締役会は、具体的な活動方針や推進施策等に対し、 進捗状況の検証や審議を実施することで取り組みの監督を行います。
推進体制
戦略
当社はTCFD提言の情報開示フレームワークに沿って、地球の平均気温が産業革命以前に比べて4ºC、1.5ºC上昇する ことを想定した2つのシナリオを用いて気候変動に係るリスクと機会の特定を行いました。その結果、当社の事業にお いて影響度が大きなものを以下にまとめています。今後は、脱炭素社会の実現に向けた対策の検討を行っていきます。
リスク


機会


*1 各リスク・機会の候補が発生し始める時間軸(影響期間)の分類は次の考え方に基づく。
- 長期:今後10〜30年の間に影響が発生
- 中期:今後4〜9年の間に影響が発生
- 短期:今後0〜3年の間に影響が発生
*2 リスク・機会の候補から、当社事業における重要度の分類は次の考え方に基づく。
- 大:リスク・機会が与える影響が大きい
- 小:リスク・機会が与える影響が小さい
*3 現時点では具体的に以下のようなリスクを想定しています。
- 投資候補先発掘から投資判断・実行にかけてのフェーズでの調査コスト増加
- ESG特化型ファンド参入による投資競争激化
- ESG関連サービスを提供している会社のバリュエーション上昇による取得コストの増加
- 投資先の企業価値向上フェーズにおけるESG支援コストの増加
- ESGチェック基準の厳格化等によるEXITまでの期間の長期化等のリスク
*4 現時点では具体的に以下のような機会を想定しています。
- 再生可能エネルギー分野をはじめとする、環境関連ビジネスを行う企業への投資機会の増加
- 脱炭素など環境関連ビジネスを提供する企業へのM&A需要増加に伴うEXIT機会の増加および評価額の増大等の機会
リスク管理
当社は、サステナビリティに関する取り組みを行っておりますが、こうした取り組みの効果が十分に発揮されず、当社におけるESG投資や、サステナビリティ実現への取り組み、ひいては当社のESG関連リスクへの対応が脆弱であると認識された場合、当社のステークホルダーからの支持が得られずに、ファンド募集や投資活動、人的資本の確保に悪影響を及ぼす可能性があります。その結果、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社はまた、TCFD提言への賛同を表明し、今後、重要なグローバル課題の一つである気候変動に係るリスク及び収益機会が自社の事業活動や収益等に与える影響について、必要なデータの収集と分析を行い、TCFD提言に沿ったリスクの評価・管理や適切な情報開示を進めています。しかし、こうした開示が十分でないとみなされた場合は、当社グループの企業価値の毀損につながるおそれがあり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
指標・目標
2018年3月期よりGHG排出量におけるScope1、Scope2の算定を行っています。
GHG排出量削減目標(Scope1、2)の設定、およびサプライチェーンにおけるGHG排出量(Scope3)の算定については、今後対応の検討を進めます。
GHG排出量の推移 (単位:t-CO2)
2018.3 | 2019.3 | 2020.3 | 2021.3 | 2022.3 | 2023.3 | 2024.3 | 2025.3 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Scope1 | 9.1 | 9.3 | 6.1 | 3.0 | 4.2 | 11.2 | 12.2 | 13.0 |
Scope2 | 140.7 | 88.6 | 85.4 | 72.7 | 77.3 | 79.3 | 26.0 | 25.2 |
合計 | 149.8 | 97.9 | 91.5 | 75.6 | 81.5 | 90.5 | 38.2 | 38.2 |
*算定範囲:当社の国内各拠点(ただし、2021年9月に西日本支社と統合した旧中部支社及び旧九州支社は含まず。)におけるGHGプロトコルで定義されるScope1(化石燃料等の使用に伴う直接排出)、Scope2(購入した電気・熱の使用に伴う間接排出)の各排出量を記載。なお、2025年3月期のScope2の算定に用いた電気/ガス事業者別排出係数は2025年5月末時点で得られる直近の数値を用いた。